成美学寮は、利用者の方が
安心して生活できる場所であり続けます

 成美学寮は、奈良市の東部、柳生の里にある芳徳寺という寺の建物や境内を使って、昭和24年に奈良県で初めての知的障害児入所施設として開設されました。戦後、この国の福祉政策が再構築されようとしていく中で、家庭生活が難しい子どもや身寄りのない子どもたちが生活できる場として成美学寮が始まりました。今そこにある物を使って生活していくので、決して裕福な生活ではなく、茶碗一つ、布団一枚、大切にしながら寮生、職員共々精一杯生きていくという生活でした。その後、施設整備は進み設備も拡充されていきました。また、地元柳生地区自治連合会によって成美学寮後援会を設立していただき、寮生のためと物心両面にわたるご協力とご支援を賜ったことは、本当にありがたいことでした。現在も地域の方々にご協力、ご支援を賜り、感謝の気持ちでいっぱいです。

 わが国の福祉政策はどんどん充実し、成美学寮もその福祉政策の中で運営されてきました。社会福祉法人としての認可、児童施設から成人施設への転換を経て現在があります。また、2000年以降は社会福祉政策の変革が目まぐるしく進みました。それに伴う各福祉関係法改正の対応など課題はたくさんあります。しかし、成美学寮は発足以来の理念である安心して生活できる場所であり続けなければなりません。福祉政策は良くも悪くも変革されていきますが、成美学寮は変わることなく継続しなければならない使命があると考えます。

社会福祉法人 成美学寮 理事長 橋本紹尚
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